ケース2 (DV)

離婚後の家族面会で元妻(依頼人)と子供(幼児)に暴力を振るう元夫を止めた瞬間。フラッシュなしで撮影した画像を修復したもので、DV事案の切迫性と緊張感を伝えるため、依頼人から了承を得て公開するもの。

ぼやけて見にくいが、画面右の元夫は社会的に地位が高く、誰もが認めるエリート。しかし無趣味で人付き合いが苦手な彼は、エリートを装うストレスを家族への暴力で晴らす。まさに典型的なDV。

この戦闘態勢の元夫は、無謀にも画面左のボディガードに殴りかかり、あっという間に組み伏せられた。

当日は元妻の自宅への嫌がらせもあり、通報後にやってきた警察官によると「警察が対応すると暴行をエスカレートさせてしまう可能性もあり介入したくない。」(要約)との事。
被害者が声高に訴える被害状況を話半分にしか受け取らないのは警察の職業病であろうし、物的証拠がないと動きにくいのも事実。状況証拠と物的証拠を継続して集め、客観的に分析し、冷静に被害を訴えないと警察は何もしてくれない。


このケースで依頼人は当社のコンサルトを受け、身辺警護を利用する事で事態の切迫性を訴え、警察も重い腰を上げた。依頼人の自宅は現在でもパトカーの巡回経路に組み込まれている。
この騒動から1年半が経つが元夫からの執拗な面会要求などはなく、事態は落着いている。しかし離婚してストレスを発散できない元夫がいつハラスメントを再開させるか予測ができない。このため今でも定期的に元夫の仕事ぶりや私生活を観察している。

夫婦間の揉め事はDVに限らず長年にわたる「しこり」が理由であることが多い。元夫が再婚するなど劇的な変化がない限り完全には解決しないかもしれない。公営の避難所に逃げ込むのも1つの策かもしれないが、根本的な解決にはならない。同じ事は身辺警護にも警察の介入にも言える。
何よりも、実の父親から暴行を受ける幼い子供の心中を察すると、ひどく胸が痛む。

このケースの後に当社のストーカーDV対策は、加害者が過去の行為を悔いて自発的に謝罪し、今後何もしないと決意表明するよう誘導(カウンセリング)していく方式(ケース3)に変化した。これまでのところ、この方法で解決したケースでの再発率は0%である。

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