錯覚商法(紳士録商売・詐欺)

ダイレクトメールなどからアンケートへの回答を依頼したり、あたかも抽選に当たったかのように偽り、言葉巧みな文章から読んだ相手を錯覚させ、契約を強要する(法外な料金をせしめる)悪徳商売を一般的に「錯覚商法」と呼びます。

この類のトラブルでもっとも軽微なケースとして、数年前に流行した家電量販店のダイレクトメールがあります。
「あなただけに携帯電話が当選しました。今なら無料でプレゼントします。」などと書いてあれば、誰でも喜んで店まで行きます。しかし、欲に目がくらみ、わざわざ店まで来る者など店員にしてみればカモ同然です。契約料や基本使用料、通話料などが別途必要と知った頃には、店員の巧みな話術に翻弄され、「拒否するチャンスすら与えられずに契約してしまう」というトラブルが多かったようです。

ここでは、さらに悪徳なケースとして、「紳士録商売」を紹介します。
会社を定年退職したばかりで金銭的に多少のゆとりがある年配者などを標的にした詐欺商法で、まず○○出版社を名乗る者からの電話で始まります。ある日前触れもなく、「当社発行の紳士録について確認書を郵送したが返事はまだか?早く返送するように。」といった内容の電話があり、数日後にはダイレクトメールが郵送されてきます。魅惑的なパンフレットと、すでに名前を記載した紳士録のコピー、「会員登録確認書」と送料受取人払いの封筒が同封されています。

確認書は、



                   
                  確 認 書
                                 No、12369

     私は貴社発刊人事名鑑について平成14年度版の購読
    及び、会員登録を了承します。以後発刊分については
    私の確認しないものは一切お断りいたします。但し他社と
    の契約等はこの限りではありません。
    内容書面を了承し返却いたします。


                              平成  年  月  日

                  住所                      

                  氏名                    印


     ○○人事出版社
     ○○人事探偵社
 御中

という内容で、右横に「継続掲載しない場合今回限りにいたします。署名捺印の上ご返送ください。」と鉛筆で殴り書きされており、署名捺印と返送を催促しています。

「購読する気も、会員になる気もないから」と確認書を返送するとアウトです。
まずは、数字のトリックがあります。上記の確認書は平成14年2月中旬頃に届いたものです。平成14年版の紳士録はすでに印刷してあり、発送の準備も整っているはずです。「今回限り・・・」の文言もあたかも会員登録も購読も強要しないといった印象を受けますが、これも読み手を安心させるためのトリックです。確認書の返送は、「今回は購読も会員登録もする」と意思表示してしまうのと同じです。間違いなく紳士録なるものが送りつけられ、20万円以上の法外な料金を請求されるでしょう。

確認書に「購読も会員登録もしない」などと手書きで書き込んでも署名捺印してしまえば何ともなりません。相手はプロです。必要であれば「新しい確認書」を偽造するでしょうし、まずは電話から、次に自宅訪問という形で組織的に入金を強要(脅迫)してくるはずです。

対策
このケースでは、売買契約が成立していません。送りつけられた商品を送り返す必要もありません。クーリングオフなど気にする必要もなく、相手が取りに来た際に渡せるように未開封のまま保管しておくだけで充分です。

振込期限を過ぎ、振込要求の電話があった場合には、相手が法人であるのか?住所と電話番号は?など、相手の情報を細かく確認し、担当者のフルネームを問い質してください。ほとんどのケースで相手は、「どこの誰でもないこと」を望むはずで、名前を名乗らない連中を相手にする必要はありません。

あまりにしつこいようなら、「送られてきた紳士録なる荷物は、いつでも返却できるように保管している。取りに来い。」「執拗で理不尽な支払い要求については大変に迷惑しており、法的措置の準備をしている。弁護士から連絡をさせようか?」などと申し渡せば二度と電話もかかってこなくなるでしょう。


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